昨今の中国人のブランド好きは多くの人が知るところ。中でも最も人気が高いのはスーパーブランド中のスーパーブランド、ルイヴィトン(LV)。「上海人女性は一生のうち1つはLVを持つ」といわれたが、最近はプラダとグッチが人気を集め、本土中国人の購買力に支えられ世界的にこの2大ブランドの価値が急上昇している。
世界市場の調査研究機構Millward Brown Optimorのリポートによれば、過去8年間人気ナンバーワンを独走しているLVだが、そのブランド価値は下がり続け、2013年は前年比12%減の227億米ドルだった。一方、プラダとグッチの市場価値は急上昇し、特にプラダは同63%増の94.5億米ドルとなった。リポートでは、アジア市場の急速な成長が多くのブランドの価値を引き上げており、中でもプラダとグッチは本土中国人の購買力に支えられていると指摘。この成長速度を維持すれば、2つのブランドは2年を待たずにLVを抜くと分析している。
本土中国人にLVが不人気な理由はブランドの魅力が薄れたわけではなく、「偽物天国」中国ならではの事情があるようだ。香港で働く25歳の本土籍の女性は、「絶対LVは買わない。本土ではLVの偽物が多過ぎて、本物を持っていても『どこで買ったバッタもの』と聞かれるから」と語る。ただその一方で、「中国人の多くがLVは貴婦人しか買えないという潜在意識を持っているので、自分は金持ちだと自慢したい人には今もまだ一番の選択肢だと思う」という。
ちなみに、カテゴリーを分けない総合ブランドランキングではアップルが1850億米ドルで1位だが、前年比わずか1%増だった。2位はGoogleの1140億米ドル、3位はIBMの1120億米ドル。アップルとライバルのサムソンは同51%増の210億米ドルで30位。中国ブランドでは10位に中国移動(チャイナモバイル)、16位に工商銀行がランクインした。5月22日付け『晴報』が伝えた。