世界第2位の経済大国、中国の富裕層の半数以上が海外移住を検討していることが2012年末に出版された中国人の海外移住に関するリポート『中国国際移民報告(2012)』で明らかになった。
リポートによれば、中国本土は今まさに建国以来、第3次移住ブームを迎えており、その中心となるのは富裕層と高学歴・スペシャリスト階層だという。リポートでは、個人資産1億元を超える富裕層の27%がすでに海外移住しており、47%が検討中。個人資産1000万元を超える富裕層の 60%近くがすでに移住した、もしくは検討中だった。
多くは投資移民で、そのほとんどが不動産・外貨預金・株などの投資。仮に1人当たりの投資可能額を133万元とすると2013年時点で対象となる富裕層は1200万人余りに上る。目的は子供により良い教育を受けさせたい、財産の保障と保護や投資環境をさらに安全なものにするため、生活の質をよくするためなどだった。
香港の投資移民コンサルタントによれば、本土の海外移住人口は年30%ベースで増加しており、移住先で最も人気が高い香港は昨年6500人が投資移民計画に申請して移住した。次いでカナダ・米国だった。中国本土では2011年に計15万人余りが海外移住し、過去3年間に投資による移住で150億米ドルが海外に流出した。この傾向は今後10年は続くとみられ、人と金の大流出を懸念する声も上がっている。6月14日付け『太陽報』が伝えた。