2008年のリーマンショック以降、香港に流れ込んだホットマネーは累計1000億米ドル(7800億香港ドル)に上る。先ごろ、香港金融管理局(HKMA)の阮国恒・副総裁は、銀行のストレステストの結果、最悪の状況を想定して1000億米ドルの資金が引き上げても、市場に大きな激震が走ることはないとの見解を示した。
米国のQE3(量的緩和第3弾)の縮小が早ければ9月から開始される見通しが高まっていることを受けての発言。ストレステストの結果、仮に1000億米ドルが流出しても、「銀行は例えば債券の売出しや海外からの借り入れを減らすなどの措置を取ることで持ちこたえられる」と語った。
HKMAは2011年から香港の銀行に対してストレステストを要求しており、今回の結果が思わしくない銀行にはこれから毎月ストレステストと面談を行い、管理監督を強化していく。
星展銀行(DBS)香港では、ホットマネーの流出は香港の金利を0・08〜0・1%引き上げる。QE3が縮小しても大規模な資金流出は起らないとみている。また、交通銀行(香港)は、香港株は相対的に安くなっている上、中国本土の経済との関連が強い。本土は経済も政策も見通しが明るくなっているので、引き続き香港には資金が流入するとコメントした。 8月17日付け『香港経済日報』が報じた。