2013年12月31日、深圳市宝安区の電子工場で働いていた四川省出身の子供41人が護送員に付き添われて帰郷した。子供たちは「帰りたくない。三日三晩掛けて汽車で来た。働いて親に仕送りして弟や妹の学費を稼ぐはずだったのに」「ここだと米と肉が食べられる」「帰ってもジャガイモとトウモロコシしか食べられない」などと語り、故郷に向かう汽車にしぶしぶ乗り込んだ。
月2000元で毎日12時間労働
1月3日付け『新華網深圳』によると、この工場は昨年末から児童労働の疑いで市政府労働部門の立ち入り検査を受けており、帰郷した41人を含む計73人が就労年齢の16歳に達していないもよう。数日前に故郷から深圳に到着し、1人月給2000元が支払われる約束で1日12時間働いていた。子供はすべて四川省涼山の出身で、ほとんどが少数民族のイ族とみられている。
子供たちによると、故郷の村は貧しく両親の現金収入は1年でわずか1000~2000元。だが、子供1人を学校に行かせるには1年で2000元掛かる。このため村の子供のほとんどは学校に行けず、農作業を手伝うか出稼ぎに出ているという。
ある子供は「お父さんとお母さんが何カ月も掛けて貯めた500元を旅費にして深圳に来た。1カ月2000元もらえるはずだったのに、こんなにすぐに帰るなんて両親に申し訳ない」と語った。また、ある子供は「村の子供で中学校まで進んだ子供はいまだかって1人もいない」と語り、「家が貧しすぎて小学校にも行っていないので、字が読めない」と語る女の子もいた。
中国メディアは、児童労働の摘発だけしても、その背後に横たわる貧困が解消されなければ問題の解決は難しいと指摘している。