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2014.03.07

米国の人権リポートに中国が反撃

 毎年、米国と中国は独自の人権リポートを発表し、相互に批判を繰り広げている。今年、米国はリポートの中で中国政府が人権活動家を弾圧し、少数民族への締め付けを強化していると指摘。香港の人権問題にも懸念を表明した。
 これに対し中国は、米・元CIA職員のエドワード・スノーデン氏が暴露した米国の世界的なサイバースパイをはじめ、米国こそ多くの人権問題を抱えていると反撃した。

香港の集会・報道の自由懸念
 2月27日、米国国務省は各国の人権状況に関するリポートを発表。米国のリポートでは中国が人権活動家への弾圧を進め、チベット自治区や新疆ウイグル自治区などの締め付けを強化しているほか、インターネットの規制を強め、腐敗した高官を暴露しようとする市民に法的措置を取っていると批難した。

 また、香港では基本法(香港のミニ憲法)によって市民が平和的に政権交代を実現する権利が制限されており、香港の議会にあたる立法会で特定数の議席を割り当てる間接選挙の枠を廃止する意向が特区政府にないため、民主派が立法会の中で過半数を握ったり、特区政府のトップである行政長官になることを難しくしていると指摘。さらに、中国政府系企業が親中派に潤沢な資金提供を行うため、特区政府の重要なポジションが親中派で占められているとした。

 香港の集会の自由については活動家らの抗議行動が制限され、警察は逮捕者を出すことでデモ参加者を威嚇している。また、香港メディアの多くが現在は中国本土系企業の傘下にあるため、報道の自由が守られにくい状況になっていると分析した。

米国の盗聴疑惑を批難
 これに対し中国国務院報道省は28日、米国は自分たちの欠点を隠す一方、人権問題に関する世界の裁判官のように振る舞っていると批判。米国はいつも他国の状況について語りたがるが、自国の問題には言及しない。元CIA職員、スノーデン氏が暴露した米国による世界的な盗聴疑惑は人権を侵害した明らかな国際法違反だと応酬した。

 さらにパキスタンやイエメンでは米国の無人機攻撃により多くの民間人が犠牲になっている。米国国内では銃関連の大量殺人事件で計130人余りが死亡。労働問題は低所得者層の失業率が20%を超え、相当な数の児童が労働を強いられている。米国のホームレスの人口も増加の一途をたどっていると指摘した。
 また、米国は児童や障害者の権利に関する条約など重要な国連の条約を批准していない数少ない国だと反撃を繰り広げた。

 ただ、米国は中国の人権問題を批判する一方で、中国が強制労働所の廃止や一人っ子政策の緩和に乗り出していることもリポートに盛り込んでいる。3月2日付け『星島日報』などが伝えた。

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