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2014.06.10

SARS再来か コウモリから新型コロナウイルス

 6月7日付け『星島日報』は、中国本土の研究で、雲南省のコウモリから過去に発見されたことのない新型コロナウイルスが検出されたと報じた。

 遺伝子配列が2003年に猛威を振るったSARS (重症急性呼吸器症候群)と非常に近い上、SARS同様に人への感染能力があるという。また、この研究で使われたコウモリからは肝炎ウイルスや急性胃腸炎を引き起こすロタウイルスなど18種類の新種のウイルスも発見されている。

 香港衛生局は今後の研究結果を注視するとともに、市民にコウモリなどの野生動物に近寄らないよう呼び掛けている。

03年の祖先か親子
 この研究結果は本土の軍事医学科学院軍事獣医研究所が国際医学雑誌『Journal of Virology』に発表したもので、新型コロナウイルスは本土の研究者が雲南省の4つの地域で集めた268匹のコウモリの直腸スワブのサンプルから検出された。

 遺伝子配列が2003年のSARS ウイルスに非常に近く、人への感染能力もある。また、DNAが91%、コウモリに通常みられるタイプのSARSウイルスとも89%近かった。研究者は、新型ウイルスは03年のSARS の「祖先」か「親子」だと推測。今回の研究結果がSARSウイルスのルートを探る手掛かりになるとみている。

 一方、香港の専門家は、過去に香港でもSARSウイルスに極めて近いウイルスが幾度も発見されており、これらウイルスには「HKU4」「HKU5」といった名前が付けられる予定だ。海外の研究者もかつて同様の発見をしているとコメントした。

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