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2014.07.18

セントラル占拠が秒読み 普通選挙は棚上げか

 返還から17周年を迎えた7月1日に行われた民主派による7・1デモの参加者数は過去10年で最高に達し、一部参加者は「セントラル占拠行動」の予行演習を行った。セントラル占拠の住民投票では約79万人が投票。2017年の行政長官の普通選挙をめぐって民主派による攻勢が激しくなっている。だが法律の枠組みを逸脱する選挙制度改革の要求に対して中央政府が譲歩する可能性は低く、普通選挙が棚上げとなる公算も大きくなってきた。

デモは過去10年で最高
 7・1デモの参加者数は主催者の民間人権陣線の発表では51万人、警察の推計ではピーク時で9万8600人、香港大学民意研究計画の推計では15万4000〜17万2000人、香港大学社会工作・行政学部の葉兆輝・教授の推計では12万2000人。いずれも05年以降で最高となるほか、主催者発表では03年の規模を上回っている。デモ隊は午後3時にビクトリア公園を出発、最後尾が終着点のセントラル遮打道に到着したのは午後11時だった。
 遮打道では集会が午前零時まで行われ、学生団体の香港専上学生連会(学連)はセントラル占拠の予行演習として座り込みを実施。学民思潮も行政長官弁公室を包囲。計2000人(主催者発表)が参加し、警察は2日午前3時から強制排除を実施。午前8時までに511人が逮捕された。

 セントラル占拠で要求する行政長官選挙の改革案を選ぶ住民投票は6月20〜29日に行われた。有効投票数は78万7767票、うちアプリ投票が49万5797票、ネット投票が23万9303票、投票所での実際の投票は電子投票が6万3845票、投票用紙による投票が827票だった。3つの候補案のうち真普選連盟案が42.1%を獲得して選出。「政府の改革案が国際標準にかなっていない場合、立法会は否決すべきか」との質問では「否決すべき」が87.8%を占めた。

 多くの人が投票やデモに参加した背景として、国務院が6月10日に発表した1国2制度の白書に対する反発や住民投票サイトがハッカー攻撃を受けたことが挙げられている。住民投票の委託を受けた香港大学民意研究計画は携帯電話を通じた投票システムへの登録受け付けを6月13日に開始したが、システムを運営している3社のプロバイダーが16日までにハッカーの攻撃に遭い、うち2社はサービスを取りやめた。このため20〜22日の予定だったネット投票と、22日だけの予定だった投票所での実際の投票は、ともに29日まで延長することとなった。

 こうしたことから当初悲観された投票数は格段に増えた。だが18歳未満の市民や非永住者の身分証、偽称の身分証番号でも投票でき、電話番号を変えればいくらでも投票できるなど、重複投票の可能性が指摘された。ハッカー攻撃も投票開始前だったことから投票率を引き上げるための自作自演という疑いがある。

 さらに投票システムのプロバイダーとして米中央情報局(CIA)と提携関係を持つ業者がかかわっていることも明らかになった。この会社は米国に本拠を置くCloudFlareで、CIAとの関係だけでなくイスラム武装組織にもサービスを提供しているなど複雑な背景を持つ。香港大が委託した3社の中で唯一、ハッカー攻撃による打撃を免れていた。外国勢力の介入を警戒する中央が懸念を深めるとみられ、議員からは香港大に詳細説明を求める声も上がった。(記事提供:『香港ポスト』20014年7月18日)>>>more

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