セントラル占拠の発起人の載耀廷・氏、陳健民・氏、朱耀明・氏の3人は12月2日に記者会見を開き、3日の午後3時に香港警察に自首すると発表。道路の占拠を続けている学生に安全のため撤退を呼び掛けた。
3人は当初、5日の自首を宣言していたが、11月30日夜から12月1日早朝にかけて最大占拠区の金鐘(アドミラルティー)で政府庁舎を包囲しようとしたデモ隊と警官隊が激しく衝突し、負傷者が出たことなどで自首を早めたとみられる。発起人の1人、香港大学准教授の載氏は先日、Facebookに次回の占拠を扇動するようなコラムを掲載し、反対派のさらなる批判の的となっている。
2日の記者会見で載氏は「香港人に宛てた手紙」と題する書簡を読み上げた。民主は一朝一夕に勝ち取れるものではないが、「雨傘革命(セントラル占拠)」は民主化を求める若い世代の啓蒙となった。弱気になったり、失敗したから自首するのではなく、政府に対する無言の訴えだと強調した。
載氏はこの記者会見の数日前にFacebookにコラムを掲載し、今後半年以内に少なくとも2回、デモ隊による2度目の占拠行動が起こる可能性が高い日があると指摘。1つは香港特区政府が政治改革法案を立法会(国会に相当)に提出する日、2つ目は立法会が法案を可決する前後の日だと記している。
コラムはさらに、政府が大量の警察を動員してデモ隊の排除を行い、旺角を強制排除したことについて、近いうちに同じ方法でアドミラルティーと銅鑼湾(コーズウェイベイ)も強制排除され、デモ参加者は逮捕また自らの意思で占拠区を離れるだろう。だが、特区政府のこのようなやり方は根本的な問題解決にならず、市民みんなが受け入れられる普通選挙制度を実現しなければ、同じような抗議行動はまた起こると警告している。これに対し反セントラル占拠派の議員は、載氏が日を特定して再び占拠を扇動し、香港の秩序を乱そうとしていると激しく批判している。
香港社会の今後については、公務員事務局の王永平・前局長が2年以内に香港で暴動が起こる可能性があると指摘している。王前局長は、長期的には運動が香港に良い影響をもたらすとの考えを示し、「今後、大きな衝突や社会不安を経て安定してくれば、中央政府は香港が小さな自治を持つことを容認してくれるだろう」と語っている。11月30日、12月2日付け『星島日報』などが伝えた。