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2013.03.31

香港人男性、新型SARSの疑いで隔離

 3月30日付け『星島日報』は、55歳の香港人男性が新型SARS(重症急性呼吸器症候群)の疑いで域内の病院で隔離治療を受けていると報じた。
 男性は3月18~26日にイタリアに渡航しアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ経由で香港に戻った後、28日に発熱と呼吸器の異常を訴え29日に連合医院に入院した。同じ日程で同行した男性の妻には異常は見られなかった。その後、検査で男性は陰性と判明した。
 香港大学微生物学系の研究によると、03年の新型SARSは主に肺の攻撃に留まり、急性じん不全の症状が出た患者は全体の約10%だったが、新型は肺、肝臓、大腸などに侵入し、腎臓を攻撃して急性じん不全を引き起こす可能性が高く、細胞のウイルス感染の速度も03年の3~1週間に比べ、新型はわずか3日。また、03年はコウモリ、サル、ハクビシンが主な感染源だったが、新型はこれに加え豚とウサギの細胞も感染を受けることから、感染源の特定が難しく、ウイルスが動物の体内でシャッフルされたり変異する確率も03年より高いという。
 香港では今年に入ってすでに新型SARSの疑いで隔離された患者が出ている。また、03年のSARSの流行から今年は10年の節目に当たる年であり、香港で最も多くの被害者が出たことから、流行を未然に防ぐための警戒が求められている。

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