中国本土のコンサルタント会社「安邦諮詢(Anbound)」は、4月20日に四川省雅安市で発生したマグニチュード7の地震による直接的な経済損失を、昨年の同省の経済成長率(GDP)の1.8%に当たる422億6000万人民元と試算した。4月25日の段階で、同地震による死者は196人、行方不明者は21人、負傷者は1万1470人に上る。中国政府による正式な経済損失見積もりはまだ発表されていない。
2008年の四川省汶川大地震(マグニチュード8)と2010年の青海省玉樹地震(マグニチュード7.1)の直接的な経済損失は中国政府の発表ではそれぞれ8451億人民元と611億人民元。同社によれば、雅安の人口は約153万人、経済が占める割合は全GDPの0.07%前後であり、汶川とは経済レベルと被災規模が明らかに異なることから、今回の地震の経済損失を汶川の5%と分析。地震発生当初は香港と中国本土の株式市場はともに下落したが、影響は短期的とみている。
また、中信証券のエコノミストも、今回の地震による経済損失は汶川よりも小さく、中央政府のマクロ経済政策に影響を及ぼすことはないと予測している。4月25日付け『星島日報』が伝えた。