中国本土の4月の不動産価格は3月末の「国五条」細則施行後も依然として上昇したが、伸びはやや鈍化しており、国の不動産抑制策の効果が出始めている。
国家統計局が公布した4月の不動産価格統計によれば、本土70都市のうち新築物件価格は67都市、中古物件は66都市でそれぞれ上昇したが、上昇幅は新築が前月比1ポイント低下、中古は前月同様と緩やかだった。うち広州市の上昇幅は前月比2.1%増と全国で最も大きかったが、3月の同3.2%増と比較して大きく落ち込んだ。2位は上海の同1.7%増。この2都市を含む36都市で新築物件の上昇幅は前月比で低下した。(5月19日付け『明報』)
「国五条」は地域によって内容に差異があるものの、物件の転売に20%の税金を課すなど投資家に対して厳しい政策を取っている。このため施行後は取り引き量も減少傾向にあり、4月の北京市の新築物件の成約数は前月比57.3%減の8280戸、中古物件は同88.1%減の5212戸。福建省アモイ市の新築物件の成約数は前月比52.17%減の3664戸、中古物件は同77.8%減の1681戸となった。
アモイ市の取り引き量が大幅に落ち込んだ要因は、今回の国五条で非アモイ戸籍への購入制限を行ったことにある。これまでは非アモイ戸籍の人は過去2年間にアモイ市に所得税か社会保険料の支払いを1年以上連続して行っていることを証明できれば2軒目の不動産購入が許されたがこれが撤廃された。アモイ戸籍であっても3軒目の不動産の購入は許されない。また、2軒以上の不動産を有するアモイ戸籍、1軒以上の非アモイ戸籍、もしくは所得税か社会保険料の支払いを1年以上連続して行っていることが証明できない非アモイ戸籍の人はともに当面の間、不動産の転売はできないという。アモイの不動産市場は非アモイ戸籍の投資家への依存が強かったため影響が大きかったとみられている。類似の購入制限は北京市など一部都市では2011年から行われている。5月17日付け鳳凰網(ifeng.com)が伝えた。