雲南省昆明市の管轄下にある安寧市で先きごろ、マスク購入時に名前や身分証番号などの登録を義務付ける措置が開始された。これに対しネット上では、中国石油の石油精錬工場建設の抗議デモに参加した市民を特定する目的があるのではといった憶測が飛んだ。だが、中国メディアがこの報道を行った後、市政府は措置を撤回し市民と消費者に謝罪した。
5月26日付け『明報』によれば、措置は安寧市工商局が公布した。内容は5月21日から市内すべての商店において消費者はマスク購入時に日時と数量、名前、身分証の番号、マスクの種類の登録が義務付けられ、これを拒否した者は処罰されるというものだった。
ここ数カ月、昆明・安寧の両市では石油精錬工場建設の抗議デモが激化。デモ参加者の多くがマスクを付けている。ある評論家は、マスクは健康に配慮して付けるべきものであり、購入が管理されるべきものではない。「マスク実名制」は市政府が結末を考えずに急場しのぎで行ったものだと批判。ネット上には「パンツも実名制にすれば性犯罪者を捕まえやすくなる」と今回の措置をからかう書き込みもあったという。