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2012.06.08

主催者発表で過去最高、六四集会に18万人

参加者はキャンドルを手に天安門事件の犠牲者を追悼した(2012年6月4日、香港ビクトリア公園にて)

支連会メンバーと方政氏

 2012年6月4日、香港市民支援愛国民主運動連合会(支連会)は1989年の天安門事件による犠牲者を追悼する六四キャンドル集会をビクトリア公園で行った。23周年を迎えた今年、事件以降に生まれた若者や中国本土から訪れた人の参加が増え、主催者発表で過去最高の18万人余り、警察の推計でもピーク時に8万5000人となり2010年に次ぐ数字となった。
 親中派の梁振英氏の行政長官就任を控えていることや、盲目の人権活動家、陳光誠氏の軟禁・出国問題などが六四集会の参加者を増加させた要因とみられる。また、天安門事件の際に中国人民解放軍の戦車にひかれて両足を失ったという民主活動家、方政氏の集会参加も関心を呼んだ。方氏は事件当時、北京体育学院に在籍。事件後は公安当局の監視下に置かれていたが、09年に米国へ渡った。今回は米国の民主活動組織の資金援助で来港した。

 

参加者は過去最高を記録。若者の姿も目立った

真剣な面持ちで集会に参加する市民

新政権発足で活動に暗雲
 集会で支連会の李卓人・主席が梁氏に対し徹底抗戦の構えを示した。李主席は、梁氏は事件当時は民主化運動を支持していたが1年後には態度を変え、2年前には鄧小平氏がノーベル賞を受賞すべきだと発言するなどカメレオン的と指摘した。
 香港紙が集会に参加した市民300人にアンケート調査を行った結果も、梁氏の行政長官就任後に追悼活動の自由度が「引き締められる」と答えた人が68.7%に上り、「変わらない」はわずか13.7%。梁氏の就任後は言論・集会の自由に圧力がかかるとの懸念がみてとれる。香港基本法第23条に基づく立法や小中学校での愛国教育の推進も市民にとっては不安材料の一つだ。これらは梁氏が当選と引き換えに中央から託された任務といわれている。
今回の集会では参加者数だけでなく募金額も過去最高に達した。同夜の支連会への募金は232万3000ドルで、昨年より100万ドル増。これまでの最高は20周年に当たる09年の210万ドルだった。今回の募金のうち2万元は人民元で、これも昨年の1万6000元より増えた。支連会側はうち100万ドルは経費に、130万ドルは六四記念館の設立に充てると述べている。社会民主連線(社民連)も昨年より倍増するなど多くの民主派政党で募金額は過去最高となった(6月6日付『明報』『香港経済日報』など)。
 香港大学民意研究計画は毎年、事件に対する香港市民の関心を調査している。5月22〜29日に行った調査(対象1003人)によると、事件の再評価を支持するとの答えは61%で、昨年より3ポイント上昇。支持しないとの答えは昨年の19%から17%に低下した。支連会が5月27日に開催した追悼デモ行進でも主催者発表で2100人が参加。昨年の2000人に比べ増えた。警察の推計でも昨年より増え、ピーク時に1300人だった。

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