曽俊華(ジョン・ツァン)財政長官は2月26日、2014/15年度財政予算案を発表した。梁振英・行政長官の施政報告(施政方針演説)で財政支出拡大を伴う貧困対策などが打ち出されたことから、予算案ではばらまきを縮小する必要があり、一過性の生活支援策に充てられる予算は前年度より約40%減少した。また長期的な財政計画を検討する「長遠財政計画工作小組」は3月3日に報告書を発表。高齢化による労働力減少などから早ければ7年後から構造的な財政赤字になると警告した。
13/14年度の財政収支は120億ドルの黒字、財政備蓄は3月末で7459億ドルの見込み。当初予測した49億ドルの赤字から黒字に転換したものの、前年度の約650億ドルからは大幅に減少、過去5年で最低となった。14/15年度では約91億ドルの黒字を見込んでいる。
市民の生活負担を軽減する一過性の措置として、個人所得税は1万ドルを上限に75%還付、父母・祖父母の扶養控除を引き上げ、不動産税は1軒1四半期1500ドルを上限に2四半期免除、公共住宅の家賃は1カ月免除、生活保護、高齢者手当、高齢者向け生活保護、障害者手当の受給者には1カ月分を追加支給する。不動産税と公共住宅家賃の免除は前年度より半減し、数年続いた電気料金補助が取りやめになるなど、生活支援措置の規模は前年度の330億ドルから約200億ドルに縮小した。(記事提供:『香港ポスト』2014年3月14日号)>>>more