米・OSIグループ傘下の食肉加工会社「上海福喜食品公司」が消費期限切れの腐敗した肉を再加工して多数の大手外食チェーンに卸していた問題で、同社工場の質量部マネジャーが公安当局の取り調べに対し、腐敗肉の使用は長年にわたる会社の方針だったと語った。
古い牛肉や鶏肉などに質の悪い添加剤を加えて商品化していたもようで、このような再加工がいつごろから行われていたかについては「覚えていない」と語り、数年前から工場内で常態化していた疑いがもたれている。
この問題は上海市のテレビ局「東方衛視」が7月20日、上海福喜に潜入取材したビデオを放映したことで明るみになった。同社はマクドナルド、ピザハット、ケンタッキー・フライドチキン、バーガーキング、スターバックス、吉野家、セブンイレブン、サブウェイ、イケヤなど外資系大規模チェーン店を顧客に持つことから、外資系食品は安全だと考えていた市民らに衝撃が走った。
放送されたビデオには、工場の床に落とした肉を洗わず機械に放り込んだり、悪臭を放つ肉の消費期限を書きなおしているところが隠し撮りされており、「消費期限が切れた肉を食べても死にやぁしない」と語るワーカーの姿も映ったいた。
中国本土の記者が福喜の顧客リストを見たところ、北京、上海、広州、天津、浙江、福建、広東など二十数省・地域を含む約150社が名を連ねており、日本を含む海外企業の名前もあった。
香港では食物環境衛生署が、上海福喜からの輸入はないとコメントしているが、河北省産のチキンナゲットが香港のマクドナルドに卸されていた疑いがもたれている。また、深圳市では52軒のピザハットが4種類の食品原料を同社から仕入れていた。7月22日香港電台(RTHK)などが伝えた。