中国本土の一人っ子政策が大幅に変更される可能性が出てきた。国民の間で長らく施行が待たれていた「単独二胎」が、早ければ年末か来年始めに試験的に実施される見込みが強まっているからだ。本土紙『斉魯晩報』が中国国家衛生委(衛生和計画生育委員会)で政策決定権を持つ人物からの情報として報じた。単独二胎は夫婦どちらかが一人っ子の場合、2人目の子供の出産が許されるというもの。
この人物の話によると、2015年には全面的に2人目の子供の出産を認める「二胎政策(二人っ子政策)」の実施も検討されてるという。実現すれば1979年から始まった中国の一人っ子政策は事実上、終了する可能性もある。単独二胎政策については2011年にかなりの段階まで計画が進み、広東省や上海市などがテストエリアに名乗りを上げていたが、反対意見が根強く、棚上げ状態が続いていた。今年に入り、全国人民代表大会(全人代)と中国人民政治協商会議(政協)で、国家人口計生委の王培安・副主任が「皆さんお待ちかねでしょう」と施行をにおわせる発言をしたが、具体的なタイムスケジュールは語られなかった。
『斉魯晩報』の報道について国家衛生委の毛群安スポークスマンは否定はしなかったが、「計画出産の基本政策は長期にわたって揺るがない」とコメント。人口は多く、素養は低く、人口に対する資源の割合は少なく、発展は不均衡。依然としてこれが中国の状況であり、人口に対する経済、社会、資源、環境のプレッシャーは今後も長期にわたって存在すると語り、研究班を組織して人口に関する調査・研究を行っていることを明かした。
現在、本土の計画出産政策では夫婦ともに一人っ子の場合や、1人目の子供に障害がある場合、不妊症のため養子をもらった後に子供を妊娠した場合、夫婦ともに人口1000万人以下の少数民族の場合、夫婦ともに中国に帰化した華僑の場合など、国の定めた条件を満たしている夫婦に限り2人目の子供の出産が許されている。8月3日付け『中国新聞網』、『星島日報』などが伝えた。