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2014.01.21

高熱でも休暇取れず H7N9鳥インフルで上海の医師死亡

 1月21日付け香港各紙は、上海市で死亡した31歳の外科医からH7N9鳥インフルエンザのウィルスが確認されたと報じた。医師は高熱が出ても休めず、仕事を続けた末に死亡した。
 また、広州市では父と娘にH7N9鳥インフルの感染が確認されており、香港の専門家は限定的に人から人への感染が起きている可能性があるとして、中国本土にデータの提出を求めている。

流感の患者診察
 中国本土では1月21日までに上海市の2件を含む10件のH7N9鳥インフルの感染が確認されている。うち1件は上海市浦東新区人民医院の外科医。1月21日付け『晴報』は病院関係者が匿名で明かした話として、死亡した医師は高熱が1週間にわたって出ていたが、インフルエンザの患者がひっきりなしに訪れるため病院側から人手不足を理由に休暇を取ることを許されなかったと報じた。香港電台(RTHK)など他メディアは、医師が自ら職務に当たったと報じている。

 医師は17日に容態が悪化し、救命治療を施したが18日に死亡した。検屍の結果、H7N9鳥インフルの感染が確認された。死亡後、上海市政府が介入に乗り出したが、救命に当たった看護師などを隔離しただけで医師が診察した患者などに特別な検査は行っていない。

  感染ルートはまだ不明だが、医師は今月初めに両親の家に遊びに行っており、その隣家ではハトが飼育されていた。また、勤務する病院の斜め前には家きん市場があるという。香港食物及衛生局の高永文・局長は、限定的に人から人への感染が起きていることも考えられるが、根拠となるデータがない。死亡した医師に関する資料を早急に手に入れ、新たなリスク評価を行いたいとコメントした。

 さらに広東省で先きごろ、5歳の娘と父親の感染が確認されている。香港大学公共衛生学院の潘烈文・副教授は、限定的に人から人への感染が起きているか、感染源が同じ可能性があるとし、2人のウィルスの遺伝子配列を調べ、2人が感染前に行った場所を特定しなければ人から人への感染の有無を判断することは難しいとしている。

 H7N9鳥インフルの感染者は気温の低下とともに増加傾向にあり、本土のほかに香港、台湾でも感染者が確認されている。1月18日には上海市で77歳の農民が、1月21日には広東省で83歳の女性が死亡したほか、浙江省で新たに6件、福建省で1件の感染が確認されている。1月21日付け香港各紙が伝えた。

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