香港大学と中国疾病コントロールセンターが共同で行った研究により、H7N9鳥インフルエンザのウイルスは密接な接触および飛沫により人から人へ感染する可能性があることが分かった。
研究は感染状況が比較的人間と近かったイタチ科のフェレットを使い実験形式で行われた。感染源との密接な接触のほか一定の範囲内で空気中の飛沫によりフェレットは感染。その24時間後に発病し、発熱、せき、肺炎などの症状を呈した。フェレットは発病から約7日で抗体を作ったが、中国本土の感染者は大多数が重篤化し、死亡している。これについて香港大学は、人間は別のウイルスも持っており合併症を引き起こすためと説明している。
また研究の結果、H7N9は豚にも感染することが確認された。香港大学は、H7N9ウィルスが他のウィルスと混ざり変異しないよう防止していく必要性を強調した。一部感染者の中にはH7N9に感染しても発病しない隠れ感染者がいることについては、彼らが知らずにウィルスを拡散させている可能性も排除できないとの見解を示した。
H7N9鳥インフルは、本土の科学者が5月22日に発表したリポートでも発病した患者の8割近くが重症に陥ったと指摘している。感染源については上海復旦大学公共衛生学院の教師らが、これまで言われていた中国と韓国の家きんではなく、中国華東地域の家きんや野鳥だったとの研究結果を報告している。5月23日・24日付け香港電台(RTHK)、『明報』『星島日報』など複数の香港メディアが伝えた。