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2014.01.05

李嘉誠氏ビットコインに投資、中国の不動産は売り

 中国本土でインターネット上の仮想通貨、ビットコインの投資が抑制される中、香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は、香港の富豪、李嘉誠氏が傘下の投資会社「維港投資(Horizons Ventures)」を通じて米国の「Bit Pay」に投資していると報じた。一方、本土メディアの報道で李氏が南京市のオフィスビル「南京国際金融センター」をすでに売却していたことが明らかとなった。

 2013年12月31日付け『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、 Bit Payはビットコインの決済代行サービス会社。2011年設立後、急速に事業を拡大し、現在200カ国・地域1万4000社のビットコインの決済処理を行う。うち半数は米国系企業、25%は欧州系、25%はその他の国・地域となっている。
 あるエコノミストは、「ゴールドラッシュ時代は金を掘り当てた人よりも採掘道具を売っていた人の方が往々にして稼ぎが多かった。李嘉誠氏もビットコイン自体ではなく、その関係分野に投資しようとしている」とコメントした。

 その一方、李嘉誠氏が会長を務める長江実業傘下のARA基金は南京市の南京国際金融センターを本土の三胞集団に売却していたことが明かとなった。三胞集団によると、1月1日に買収手続きが完了。買収価格は20億人民元余りだった。ARA基金は2008年に南京国際金融センターを招商地産から16億2500万元で購入しており、李氏は4億元近い利益を得たことになる。
 あるアナリストは、李氏が最近活発に本土の不動産を売却しているのは、中国経済と不動産に見切りを付けているからではないかと分析している。(1月4日付け『新京報』)

 本土ではビットコインの投資がここ1年ほどでで急増し、価格が高騰した。だが過熱ぶりを懸念した中央政府が昨年12月5日、ビットコインを通貨とは認めない通達を行い、銀行やインターネット決済代行会社などの金融機関に対してビットコインでの決済を禁止した。
 以降、本土のビットコインの取引価格は昨年12月初旬時の最高値から約60%下落、約2752元となったが、現在は約4460元まで値を戻している。また、海外のMt.Gox、Bitcoinといったビットコインの売買プラットフォームでも約60%下落の455米ドルから現在は800米ドルまで回復している。

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