広東省広州市から湖北省武漢市へ向かう新幹線「高速鉄道(高鉄)」の中で、1個35元の駅弁を購入した女性客が弁当のご飯の表面2カ所に大きなかびが生えているのを発見した。かびが生えていた駅弁は「紅焼牛肉飯(牛肉のしょう油焼きご飯)」。販売元の武漢鉄路局旅行服務公司は、この弁当を購入した11人の乗客全員に「十倍返し」の計3850人民元の賠償金を支払った。
常温保存で90日
11月5日付け『晴報』によれば、女性が買った駅弁は今年の10月10日付けの包装となっており、「常温で保存、消費期限は90日」と印刷されていた。女性の駅弁にかびが生えていたことを知り他の乗客も騒ぎ出し、高速鉄道側に説明を求めた。
販売元の説明によれば、高速鉄道の駅弁は冷蔵保存のものが主で、常温保存のものは少ない。冷蔵の弁当は急速冷凍したものを冷蔵のまま輸送し、消費期限は24時間。今回問題となった常温の弁当の消費期限は90日で、中国国家衛生部の認可を得ている。問題の弁当は輸送過程で包装が破損して空気が入り、かびが生えたのではないか。これに似た状況は過去にもあったと回答した。
高速鉄道は乗車運賃は高額だが、駅弁の評判は悪い。中国本土のメディアは、本来は15元から45元の駅弁をそろえているはずなのに、15元の安い駅弁はなかなか手に入らないと指摘。市民からも高速鉄道は暴利をむさぼり、監督責任をおろそかにしているのではないかと批難の声が上がっている。