中国版ツイッターの微博(ウェイボー)で「自殺否定誓約書」なるものが人気を集めている。これは仮に自分がある日突然不審な死を遂げても、当局から自殺と結論付けられるのを防ぐためにネットユーザーらが考えた予防措置。きっかけは先きごろ北京市で起きた出稼ぎ女性の死にある。
5月初め、安徽省出身の女性、袁莉亜さん(22歳)が勤務先の衣料品卸し市場のビル内で死亡した。公安は飛び降り自殺と結論付けたが、袁さんはビルの警備員7人から暴行を受けた後、上階から突き落とされ死亡したとのうわさが広まり、多数の安徽省出身者らが真相の解明を求めビルの前でデモを行った。デモは当局により鎮圧され、28歳の女性がこのデマを流したとして当局の取り調べを受けた。
「自殺否定誓約書」には著名なIT企業家の李開復氏も参加しており、ウェイボー上に、私は絶対に自殺はしない。もしも今後、私の身に何かあったら、それは他殺であり警察には徹底的な捜査を願う、といった内容が記されている。また、次のような書き込みをしたユーザーもいた。「僕はおごそかに誓います。僕は絶対に自殺はしない。仮に僕が死んだら、それは殺されたのです。僕は死体加工場に売り払われないよう献体に登録しているから、僕の遺体がどうなるか見ていてください」
このような誓約は昨年、湖南省の民主活動家の故・李旺陽氏が拘置所で死亡し、当局が首つり自殺と発表した際にもあるネットユーザーが「私は絶対に自殺はしない」との声明を書き込んでいる。李氏は長年の拘置所暮らしで当時すでに障害者となっていたことから、遺族が首つり自殺はあり得ないと語り、民衆の多くが調査を求めていた。5月11日付け『明報』香港電台(RTHK)が伝えた。