News & Event

2014.07.30

時限爆弾と毒注射 習主席暗殺計画で周永康・氏失脚

 中国中央政府の最高指導部の1人、周永康・氏が重大な規律違反を犯したとして当局の取り調べを受けている事件で、7月30日付け香港紙『太陽報』は、周氏は時限爆弾と毒注射で習近平・国家主席の暗殺を企てていたと報じた。前中共中央政治局常委兼前中央政法委書記の周氏は、有罪判決を受けた薄熙来・前重慶市委書記を総書記に据え、自身はその裏で政権を掌握しようとした疑いがある。

 周氏は石油を巡る利権で重大な規律違反を犯したとして取り調べを受けているが、『太陽報』は海外メディアの報道として、失脚した一番の理由は政権転覆と習主席の暗殺計画だと伝えている。昨年8月、中国共産党指導部のトップが集う北載河の会議開催前後、周氏が少なくとも2回、習主席の暗殺を計画し、1回は会議室に時計式の時限爆弾を設置、2回目は習氏が解放軍301医院で健康診断を受ける際、注射器に毒物を混入させたという。危険を察知した習氏は北京西山軍事指揮センターに移り、難を逃れたとされている。

 習主席は昨年8月末から9月14日まで、突然公の場から姿を消し、予定していた外交はすべて取り消された。9月15日に北京市内の活動に久しぶりに姿を現したが、かなりやつれた様子だったため、政変の危機から脱したのではとの憶測が流れた。

 また、中南海に近い消息筋の話として、一昨年の3月、薄氏が失脚した際、治安部隊を掌握していた周氏は薄氏の救出とクーデターを試みたが失敗に終わったという。この時、深夜に北京市内に入る解放軍の車両の写真がインターネット上に流れ、市内で一度銃声が響いたといわれているが、これは当時、中央政法委書記をしていた周氏が起こしたとみられている。
 
 周氏ほどの大物政治家が失脚するとなれば、影響を受ける高官も少なくない。先ごろ中国本土の各空港で人民解放軍の演習による航空機の遅延が相次いだが、これは周氏の支持者の海外逃亡を防ぐ狙いがあったのではないかとみられている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る