4月24日付け『明報』『星島日報』によれば、23日、香港特区政府は四川省雅安市で発生した地震の救済・復興支援金として1億香港ドルを四川省政府に寄付する意向を示し、同日立法会に文書を提出。24日早朝から財務委員会が審議を行っていたが、複数の民主派政党から異議が起こり審議は持ち越しとなった。反対派は支援金を地方政府に直接渡さないよう求めており、市民の間でも地方幹部の懐に入るだけでは、といった疑問の声が上がっている。
「寄付は腐敗高官を増やし、肥え太らせるだけ」。24日付け『晴報』はこう語る香港市民の声を伝えた。時事評論家の譚志強氏は、2008年以降香港市民の祖国への情熱は冷める一方。5年前の四川省汶川大地震発生後、手抜き建築を調査していた活動家や建築家は当局によって監視・投獄され、にわか成金となった地方幹部は高級車を乗り回す。昨今の粉ミルクや本土妊婦問題も募金をためらう原因の一つに挙げられる。「香港市民は、募金すればするほど間違った方向に行っているような気がしてしまうのだろう」と語った。
だが、今回は香港人のみならず、本土でも震災寄付に異議を唱える動きが強い。本土のネットユーザーの多くが、高官の腐敗と公費の乱用に我慢の限界を感じており、北京市が募金を呼びかけた際、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に2時間で1万人を超える不満の声が書き込まれた。「スポーツカーに乗って高級ブランドの腕統計を着けた人が、一杯の麺に一個の卵を落とそうかどうしようかとしばらく悩むような庶民に寄付を呼びかけるなんて、恥知らずもいいところ」「庶民に募金させるべきではない。中国政府は公金で飲み食いして公用車に乗って、その経費は毎年1千億元を超える」。このような書き込みがあったが、このウェイボーはすぐに閉鎖されたもよう。
また、香港のケーブルテレビの記者は「広州などの赤十字の募金箱は空が目立つ」「皆、被災者を助けたくないのではなく、被災者に確実に支援が届くルートを探しているのだろう」と語った。