5月23日にHSBC(香港上海銀行)が発表した5月の中国のPMI(製造業購買担当者景気指数)速報値は49.6と市場予測の50.4を大きく下回り、昨年10月以来初めて縮小に転じた。PMIは中国の中小企業の景気を反映する指標とされ、50を上回ると景況の改善、下回ると景況の悪化を示す。
中国のPMIに加え、22日に米国FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長がQE3(量的緩和策第3弾)の縮小に言及したことに市場が反応。株価は世界的に暴落し、24日の香港ハンセン指数の終り値は22669ポイントと前日比591ポイント急落した。
だが、モルガンスタンレー(香港)資産管理マーケットのストラテジストは、「中国本土のA株の下げ幅は大きくはなく、香港の投資家の反応は敏感過ぎた。株式市場の調整はさほど深くはない」とコメント。先きごろ中国が発表したPPI(生産者物価指数)とCPI(消費者物価指数)もともに悪く、本土の景気指数の悪化はマーケットにとってはすでに目新しい材料ではない。これらを口実に(株は)売られたに過ぎないとし、影響は限定的との見方を示した。5月24日付け『明報』、『星島日報』が伝えた。