立法会財務委員会は5月3日、特区政府が提出した四川省雅安市蘆山県の地震の救済・復興支援金1億香港ドルの申請を可決した。震災寄付の是非を問う2度目の会議はわずか2時間で終了。賛成37票、反対23票、棄権1票だった。民主派議員6人が寄付金は非政府系の救済団体に渡し、用途を監督するよう求めた14項目の修正案はすべて否決された。
反対派の議員や政党からは、2008年の汶川大地震で特区政府が四川省政府に寄付を行った後、汚職や流用が疑われる案件が立て続けに起きたことから、今回も特区政府は寄付金の用途を把握できないのではないかといった疑問の声が上がった。複数の民主派団体で構成される政治連盟「人民力量(People Power)」の黄毓民(レイモンド・ウォン)氏は、地震発生からすでに2週間が過ぎ、被災地への寄付金は緊急というわけでもなくなった。その上、1億元では多くの救済・復興プロジェクトを手助けできるわけではない、として財務委の決定を批判した。
だが一部議員からは、中国政府にもう一度チャンスを与えよう、といった意見も上がった。特区政府は、寄付金は非政府系組織も受け取ることができ、現在5つの慈善団体が受領を許可され、2つの機構が申請中だとしている。また、必要であれば震災基金諮問委員会の運営も検討するという。5月3日の香港電台(RTHK)が伝えた。