中国本土住民の香港株への直接投資「QDII2(適格国内個人投資家/通称:香港株直通車)」が年内に開始される公算が高くなっている。12月16日付『星島日報』によれば、中国証監会の郭樹清・主席は「QDII2」を年内にも開始したいとの意向を明らかにし、その準備のため15日に香港証券取引所(HKEx)の周松崗・主席と李小加・総裁と面談したことを明らかにした。李総裁は、「飛行機が飛び立つ時になって滑走路を造るわけにはいかない」と語り、人民元の国際化と資金の流入出は誰もコントロールできないところまできている。この改革が成功するとは限らないが、香港証券取引所は協力を惜しまないとの立場を明らかにした。
「QDII2」は「QDII(適格国内機関投資家)」の改良版。開始されれば本土住民の香港での株購入が可能となる。ただ、まずはいくつかの条件をクリアしたモデル投資家に解禁され、全国民がすぐに香港株に投資できるわけではないようだ。また、07年に提案された「天津市を直通車のモデルエリアにする」といった場所を決めたやり方は課題が多いため採用されない見通し。専門家は、運営は中国で初めて2012年末にB株からH株に転換し、本土の証券取引所から香港証券取引所に上場した「中集集団」のノウハウなどが参考にされる可能性が高いとみている。
一方、中国本土で外国人投資家のA株の売買が可能になる「RQFII(人民元適格海外機関投資家)」の開始も検討されており、市場では低迷するA株の救世主として「RQFII」を直通車よりも先に解禁するとの予測が体勢を占めている。