香港では並行輸入業者らが本土で販売するために粉ミルクを大量に購入する影響で再び価格が高騰している。1月23日付け『香港経済日報』によれば、粉ミルクの価格は通常の2〜6割に跳ね上がり、1缶300香港ドル以上で販売されている。また、品不足を懸念して買いだめに走るケースもあり、粉ミルク40缶をストックしている香港人妊婦もいるという。
香港では、2008年に本土で市販の粉ミルクに人体に有害な化学物質メラミンが混入していた事件以降、輸入品の粉ミルクを購入する並行輸入業者や本土観光客が増加。統計処によれば、昨年1〜11月の粉ミルクの輸入量は3790万キロ(再輸出を除く)に達し、前年同期比33.8%増だったが、旧正月を前に粉ミルクを買い求める人が日々増加し需要が急増している。
並行輸入業者は主に隣接する広東省などから1週間のマルチビザで入境する本土中国人だが、本土での転売を目的とした香港人も少なくない。粉ミルク以外にも日用品などを大量に購入するため香港では品不足からくる物価上昇が社会問題となっており、特区政府は本土客の1日当たりの入境回数を制限するなどの対策を検討している。