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2013.05.20

社会科学院:不動産バブルが競争力低下させる

 5月19日、中国社会科学院が公布した2013年『城市競争力藍皮書(都市競争力ブルーブック)』で、香港は都市の総合競争力において11年連続1位に輝いた。だが、リポートで香港の競争力は勢いが弱まりつつあると指摘している。
 社会科学院によれば、香港は産業が単一であり、科学技術で突出したものがない上、経済は依然として金融と不動産に過度に依存しており、土地と住宅の不足は深刻である。不動産価格の上昇が速く、投資の色合いが濃いためバブルを引き起こしている。家賃や店舗賃貸料の高騰は企業の営業コストを増大させ、間接的にインフレを招き、市民生活を圧迫している。
 また、香港には重工業や化学産業が足りず、珠江デルタとの相互補完がこの部分をさらに弱くしている。香港が優位性を持つサービス業においても、改革開放により中国本土のサービス業の勢いは香港に迫りつつある。高齢化の加速も競争力を低下させる要因の一つであり、2041年には香港の65歳以上の人口は全人口の30%を占める56万人となり労働力不足に陥る、と指摘した。
 その上で社会科学院は、香港は土地の供給を増やし、都市の発展計画と新たな科学技術を促進していくことで、競争力を維持できるとしている。総合競争力の2位は広東省深圳市、3位は上海市だった。5月20日付け『明報』が伝えた。

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