3月26日、香港終審法院は外国人家政婦の永住権を認めないとの判決を下した。この裁判は香港で7年以上家政婦として働くフィリピン人女性2人が香港の永住権を求め特区政府を相手に訴えを起こしていたもの。香港では仕事などで7年間居住した外国人に永住権を与える制度があるが、外国人家政婦にこれが認められないのは不平等だと主張。2011年9月に高等法院が家政婦側に有利な判決を下したことから、約10万人の外国人家政婦とその家族に永住権が与えられる可能性が浮上し、市民の間で懸念が高まっていた。
今回の裁判で終審法院は、外国人家政婦は雇用主の家に住み込みで働き、雇用が終了すれば帰国する契約となっており、他の外国人とは条件が異なるとして2人の要求を退けるとともに、特区政府が要求した全人代の解釈を仰ぐ必要はないとの見解を示した。
特区政府は外国人家政婦の永住権以上に頭いの痛い問題として、「双非」と呼ばれる両親ともに中国本土籍の香港生まれの子供の永住権問題を抱えている。香港で生まれた子供には香港の永住権が与えられることから、近年、本土籍妊婦が香港で出産するケースが急増し社会問題となっている。このため、特区政府は今回の判決を弾みに「双非問題」の解決を図りたいもようだ。3月26日付け『明報』『星島日報』が伝えた。