3月21日、アジア一の富豪、李嘉誠氏率いるコングロマリットのハチソン・ワンポアは子会社のワトソンズ・グループの株式25%を440億香港ドルでシンガポールの政府系投資会社「淡馬錫控股(テマセク・ホールディングス)」に売却すると発表した。これにより、計画されていたワトソンズの香港と海外市場の二重上場は2、3年先になるもよう。
1人の投資家よりいい
22日付け香港各紙によれば、ハチソンはワトソンズの上場に関して戦略的な見直しを行い、投資家にプレゼンテーションを行った。その際にテマセクからワトソンズの株を25%保有したいとの申し出があり、李氏が「1人の投資会のほうが上場するよりもいい」との結論を出し、売却に至った。
テマセクはワトソンズを時価総額1770億香港ドル、1株42.5ドルと評価。合意が実施されればテマセクはワトソンの2番目の大株主になる。また、売却益の3分の2はハチソンの株主とハチソンの半分を所有する長江実業の株主に1株7ドルの特別配当として還元される。
ワトソンズ・グループはドラッグストアの屈巨氏(ワトソンズ)、スーパーマーケットの百佳超級市場(パークン・ショップ)、英国の美容健康チェーン、スーパードラッグなどを運営し、アジアとヨーロッパの12市場に3500の通常店舗と900間以上のドラッグストアを有する。
ワトソンズの株式をシンガポールの政府系投資家に売却したことで、李氏の香港撤退説が再燃している。