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2014.02.14

不法滞在で出産の本土妊婦に実刑 分娩費未払いも増加

 先きごろ、香港沙田裁判所はオーバーステイで出産した中国本土籍の女3人に6カ月の実刑判決を下した。3人はそれぞれ昨年8月、9月、11月に観光目的で香港に入境し、オーバーステイした上、陣痛が始まってから公立病院に駆け込んで予約のないまま出産したとして起訴されていた。

 香港の入境処は香港籍でない妊婦のオーバーステイでの出産を重く受け止め、今後は本土妊婦の入境をさらに厳しく監視するとともに、不法に入境・滞在した本土妊婦の取り締まりとそのあっ旋業者の摘発を強化する。香港に不法滞在者した者は最高5万香港ドルの罰金か2年の懲役が課せられる。

出産から1、2日で刑務所 
 香港生まれの子供には香港の居住権が与えられることから、近年は臨月間際に香港に入境して公立病院で出産する本土妊婦が急増している。入境処は本土とのボーダーにある各イミグレーションで妊婦の入境を厳しく監視。2012年には夫ともに本土籍の妊婦の香港での出産を原則認めない「ゼロ割り当て制度」も施行された。だがそれでも非合法出産は後を絶たない。逮捕された妊婦のほとんどは出産から1、2日で刑務所に送られ、2カ月前後服役するという。

分娩費未払いは4170万ドル
 本土妊婦の分娩費未払いも深刻化している。香港食物及環境衛生局の高永文・局長は先きごろ、2012/13年度に香港8カ所の公立病院での非香港籍の妊婦の分娩費未払いは379件、計1020万香港ドルに上ったと発表した。

 香港医管局によると、分娩費未払いは主に急患で駆け込み出産する本土妊婦。未払い額は前年度比で76%増加し、ここ5年での累計未払い額は4170万ドルに上る。未払い患者の中には、きちんとした住所を病院側に知らせていなかったり経済的な問題で支払いができない、もしくはすでに香港を離れているなどで督促が難しいケースがある。医管局は、悪質なケースについては今後、該当者に緊急医療を行わないとしている。2月13日付け『星島日報』、香港電台(RTHK)などが伝えた。 

 

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