2017年に実施が予定されている普通選挙の導入のあり方をめぐって数万人規模のデモが続く香港では、当初予告されていた金融街のセントラルでの座り込み以外に、アドミラルティー、コーズウェイベイ、チムサーチョイ、旺角といった繁華街でも多数の学生や市民が座り込みを続けている。
事実上デモの主導権を握っている2つの学生グループ「香港専上学生聯会(学聯)」と「学民思潮」は、香港特区政府のトップ、梁振英・行政長官の辞任を要求しており、学聯は政府の回答が得られなければ行動を激化させるとしている。デモ隊はすでに制御不能に陥っているとの指摘もあるが、セントラル占拠の発起人の1人、陳健民・氏はこれを否定。停止を呼びかける必要はないとの見解を示している。
香港では一部の学校が休校となっているほか、デモ隊による座り込みが行われている繁華街の一部では、銀行や店舗が営業できず、交通は麻痺。通勤や市民生活に影響が出ており、デモ隊と反セントラル占拠派の市民との間で小競り合いも起きている。
香港証券取引所は通常取り引きが行われているものの、29日月曜日のハンセン指数の終り値は前日比1.9%下落の23229.21ポイント。中資系銘柄で構成される国企指数の終り値は同1.37%下落の10439.03ポイントとなった。デモ隊の抗議行動が長引けば、経済へのさらなる影響は必至だ。
香港は10月1日から2日間、国慶節(中国の建国記念日)の連休となるため、特区政府は参加者がさらに増えることを懸念しており、ビクトリア湾で行われる恒例の国慶節の花火の打ち上中止を決めている。9月29日付け香港各紙が伝えた。