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2014.10.05

撤退なければ武力行使 行政長官が最後通告

黄色いリボンはセントラル占拠派の象徴(撮影:江騰)

黄色いリボンはセントラル占拠派の象徴(撮影:江騰)

 香港では1人1票の普通選挙の導入のあり方をめぐって学生や市民の大規模な抗議活動がすでに1週間続いている。香港トップの梁振英・行政長官は4日、テレビ演説を行い、デモ隊が撤退しなければ武力行使も辞さない考えを示した。梁行政長官のテレビ演説はデモが始まってから2度目。今回はデモ隊に対する最後通告とみられている。

 梁長官はテレビ演説で、セントラル占拠行動のメンバーとデモ隊に向け、2つの切実な要求をした。1つはデモ隊が占拠している政府庁舎前の出入り口を6日月曜日の早朝までに通行可能な状態に戻し、約3000人の政府職員が通常通り出勤して業務が行えるようにすること。もう1つは、香港島の中西区と湾仔区の交通を麻痺させるようなことをやめ、月曜日の朝には臨時休校となっているすべての学校が授業を再開できるようにすること。さもなくば、「政府と警察は社会秩序の回復のため、責任と決意を以って必要な行動に出る」と語った。
 梁長官の演説は、セントラル占拠行動の発起人とデモの中心となっている「香港専上学生聯会(学聯)」「学民思潮」の2つの学生グループに向けた最後通告とみられている。

 武力行使で収束を図ろうとする政府に対し、セントラル占拠の発起人の1人、載耀挺・氏は、公務員の通勤路さえ開ければ政府が武力で撤退させる理由はなくなるとしている。また、学聯は政府との対話の条件として旺角で発生した暴力事件の徹底的な調査や、香港ナンバー2の林鄭月娥・政務長官と選挙制度改革の関係閣僚3人との公開対話などを提示している。学生グループは旺角の事件は警察が暴力団と手を組んで起こしたのではないかと疑っている。

 梁長官の最後通告に、政界や教育関係者らはデモ隊に続々と撤退を呼びかけており、香港の大学教授は中国人民解放軍が出動する事態になれば、天安門事件のような悲劇が起こる可能性も排除できないとして、学生の携帯電話にショートメッセージを直接送り身の安全を確保し、早く帰宅するよう求めている。10月5日付け香港各紙が伝えた。

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