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2014.11.15

発起人の自首も 占拠の収束模索

1カ月を超えた今もテントが立ち並ぶアドミラルティー・政府庁舎付近の幹線道路

1カ月を超えた今もテントが立ち並ぶアドミラルティー・政府庁舎付近の幹線道路

 セントラル占拠発起人、香港専上学生連会(学連)、学民思潮、民主派議員、民間団体は11月1日から5者会議を重ね、こう着状態にある占拠行動の打開策を話し合っている。立法会の補欠選挙によって民意を問う方法が挙がったが合意は得られず、学連代表は北京での中央高官との対話を試みた。世論調査では市民の7割が即時撤退を求めるなど、1カ月半が過ぎた占拠行動に世論の反感は高まっており、主導する各団体は収束の道を模索している。

住民投票に民主派及び腰

 学連は立法会の民主派議員が辞職し、その補欠選挙を住民投票に代えることを提案。2010年と同様に直接選挙枠の民主派議員が5選挙区から1人ずつ辞職するというものだ。民主党と工党は目的や効果を疑問視し否定的な立場を決め、他の議員も立場を保留していたが、社会民主連線の梁国雄・議員は支持を表明。10年の際は親政府派がボイコットしたが、今回はセントラル占拠への支持か反対かを問う対決として参加するともみられる。ひとたび親政府派が参戦すれば民主派が否決権を失う可能性が高いほか、補欠選挙までの期間に親政府派が議事妨害を防ぐ修正案を可決させるとの意見が上がった。もう1つの方法として職能別選挙枠の区議会第2枠から1人が辞職する案もある。しかし区議会第2枠に2議席を持つ民主党と他党で意見は分かれる。

 一方、学連の周永康・秘書長は、北京に赴き全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の決定撤回を訴える計画を表明。親政府派政党の民主建港協進連盟(民建連)の鄭耀宗・主席が占拠撤退を条件に学連代表と中央との対話を仲介すると申し出たが、学連はこれを拒否。董建華・元行政長官(全国政協副主席)や范徐麗泰・前立法会議長(全人代常務委員)らに仲介を要求すると発表した。

 学連は7日、元行政長官弁公室に董氏あての書簡を提出。北京での学生代表と中央官僚の対話手配について9日までの回答を求めた。董氏は8日、声明を発表し「書簡の内容は彼らの観点と立場を繰り返しているだけで、現在のこう着状態を打開することにはつながらない」と指摘。「違法活動をただちに終わらせ、合法かつ理性的な方法で信念を追求すべき」と述べたが、対話を手配するかどうかには触れなかった。このため学連は10日、范徐氏と35人の全人代香港代表にあてた公開書簡を発表。中央官僚との対話を手配するか、全人代臨時会議を開催して8月31日の決定を再審議し、変更または撤回するため全人代香港代表が連名で提案するよう要求。范徐氏に12日までに回答するよう求めた。周秘書長は「1週間以内に全人代代表の正面からの回答が得られない場合、仲介者の協力は求めず北京に直接赴いて中央官僚と対話する」と表明した。

 このほか収束の象徴となり得るのがデモ参加者らの自首である。12日付『明報』はセントラル占拠の発起人3人が21日にも自首するつもりだと報じた。発起人の戴耀廷氏と陳健民氏は10月28日に教職に復帰すると発表し、それぞれ香港大学と香港中文大学に戻った。セントラル占拠のもともとの構想は参加者が占拠後に自首して刑事責任を負う意思を示し、大衆に法治を無視していないと理解させる狙いだった。だが関係者は一部参加者には刑事責任を負う心構えがないことを認めている。学連などは強制排除が行われれば逮捕を受け入れる方向に傾いている。

 10月30日付『明報』によると、自首の意向を示したのは発起人3人のほか19人。民主派議員26人のうち自首を表明したのは9人だけ。同紙が金鐘、旺角で行った調査(対象212人)では「自首する」との答えは17%、「自首しない」との答えは45%。「自首しない」と答えた者のうち25%は「法を犯したとは思っていない」という。11月12日付『星島日報』によると、同紙が5〜6日に金鐘のデモ隊182人に行った調査では「自首する」は34.1%、「自首しない」は57.7%。撤退拒否は84.6%にも上った。>>>more(2014年11月21日『香港ポスト』

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