普通選挙をめぐる香港の大規模抗議デモ「セントラル占拠(占中)」のバックに米国がいると指摘している米シンクタンク「ランド・デストロイヤー」の研究者である トニー・カタルッチ氏は、新たなコラムで香港の大物政治家2人がデモの首謀者であり、今回のデモは参加者が街に出て抗議行動を始める数カ月前からすでに米国によってお膳立てされていたと記した。
カタルッチ氏は『Entire “Occupy Central” Protest Scripted in Washington(セントラル占拠行動のすべてのシナリオはワシントンによって書かれた)』と題した文章の中で、香港の民主党党首で創始者の李柱銘(マーチン・リー)氏と前政務長官の陳方安生(アンソン・チャン)氏の2人の大物政治家が今年4月に訪米し、米国国務院管轄下の米国国家民主基金会(NED)と米国国際民主研究員(NDI)の会議でセントラル占拠行動の計画を詳細に述べた。会議は1時間におよび、NEDのルイザ・グレーヴェ地区副主席が進行役を務めたとしている。
カタルッチ氏によれば、リー氏は会議でセントラル占拠の計画を詳細に述べただけでなく、香港の役割を強調し、欧米の法律や利益保護の概念が中国本土に伝わる必要性を説いた。また、リー氏とチャン氏は、中国政府は諸外国が本土の統治の仕方をどのように見ているかを非常に気にしているので、これを利用して香港に関して譲歩するよう中国政府に迫ることができると強調した。
香港の抗議デモは発生から1週間が過ぎ、一部道路などの封鎖が解除され、デモ隊の参加人数も減少しているものの、収束には至っていない。梁振英・行政長官はデモ隊に対して撤退するよう最後通告を行ったが、未だ香港の3カ所の繁華街でデモ隊が座り込みを続けており、武力による強制排除の可能性は残ったままだ。学生グループ「香港専上学生聯会(学聯)」と特区政府は10月12日までに対話を行う方向で調整を進めている。10月7日付け『太陽報』などが報じた。