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2014.06.13

国務院白書:香港の自治は中国政府に決定権

 6月10日、中国国務院新聞弁公室は香港の自治に関する初めての白書を発表し、中国中央政府が香港にとっての最高権力であることを改めて強調した。
 2017年に予定されている普通選挙の導入方法をめぐり、6月22日に民主派グループ「セントラル占拠行動」が非公式の住民投票を実施する予定で、候補者を香港市民が選ぶことができないのであれば、早ければ7月にもセントラルで座り込みのデモを行うとしている。白書は、活発化する香港の民主派グループの動きにクギを刺すものと受け止められている。

 白書は、中央が香港を全面的に支援することを約束する一方、香港には一国二制度に対する誤った理解がはびこっており、一部の市民は外部勢力と結託してこの制度に干渉しようとしている。普通選挙の実施は約束しているが、行政長官は愛国者でなければならないとし、香港の自治は中央に監督責任と最終的な決定権があると明言した。

 また、高度な自治は香港固有の権利だが中央の認可があって初めて存在する。一部の市民は一国二制度や香港基本法を偏って理解をしているが、世界的に経済環境が根本的な調整や変化の局面を迎えている今、香港は経済力を強化すべきだと忠告した。

 普通選挙の立候補者の指名については、行政長官は愛国者でなければならない。愛国者でない、もしくは国に忠実でない人物で香港の中核が構成されれば、一国二制度は正しい方向性を失い、香港の安定と繁栄は危うくなる。
 
 香港のミニ憲法『基本法』の解釈については、すべては相関性があり、全体で1つのものと考えなければならない。ある項目を重視し、他を無視すれば解釈があいまいになるとしている。

 この白書について民主派政党、工党の李卓人・主席は、普通選挙に対する香港人の意志をくじくものだと反発。中央は常に主権と統治の権利を強調するが、一国二制度も普通選挙もすべて基本法のマニフェストであり、中央の態度が強硬であればあるほど、香港人は立ち上がると語った。6月12日付け香港各紙が伝えた。

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