香港の民主派グループ「セントラル占拠行動」による普通選挙をめぐる住民投票「6.22民間全民投票」が6月20日の正午から始まった。翌21日の朝6時の段階でインターネットを利用した投票数者は予想を大きく上回る約43万5000人。うち約3万人は深夜零時以降に投票していた。開始からサイバー攻撃に遭うなどの混乱があり、投票期間は当初の2日半から10日間に延長された。
一般市民の中には民主派陣営の内部対立で市民投票は実現しない、市民運動が過激な抗議行動に乗ったられたといった不安があったが、先週、中国中央政府は白書で、中央は香港に対して「全面的な統治権を持つ」と明言。これが論議を呼び、より多くの市民が投票に参加する結果となった。
この住民投票では2017年の行政長官選挙の導入方法についての独自案を市民が選ぶ。中央は2017年に香港で一人一票の普通選挙を実施するとしているが、立候補は中央が認めた人物しかできない。セントラル占拠行動は香港市民による普通選挙導入を求め、香港の中心部のセントラルで座り込みの抗議行動を行うとしており、今回の住民投票はその前哨戦となる。
セントラル占拠行動は、電子投票で個人情報が漏れることを恐れている市民は、6月22日から8日間実施される投票所での投票に参加するよう呼び掛けている。22日の日曜日は香港15カ所の投票所で朝10時から夜10時まで。23日の月曜日から28日の土曜日までは香港シテイ大学の投票所のみ開放となるが、29日の日曜日は10カ所の投票所が開く予定。投票所の1日当たりのキャパシティーは少なくとも10万人だという。電子投票はpop voteのウェブサイトから行える。
一方、香港特区政府は香港のミニ憲法『基本法』にも香港の法律にも全市民を対象とした住民投票もしくは類似の制度は存在せず、現在行われている投票は法的根拠のないものだと強調。中央の出先機関である国務院港澳弁及中聯弁も法を無視した無効なものだとコメントしている。セントラル占拠のXデーは返還記念日の7月1日もしくはそれ以降とみられている。6月20、21日付け香港電台、香港各紙が伝えた。