10月18日、李嘉誠・会長率いる香港のコングロマリット「和記黄埔(ハチソン・ワンポア)」は、傘下の屈巨氏集団(ワトソンズ・グループ)が運営するスーパーマーケットチェーン大手「百佳超級市場(パークン・ショップ)」の売却を撤回すると発表した。
買収に名乗りを上げた8社のうち、最終交渉に残ったのはタイ財閥大手のジャルーン・ポーカパン(CP)グループとオーストラリアの大手スーパーチェーンWoolworts(ウールワース)の2社だったが、ともに金額面で折り合いが付かなかったとみられている。ハチソンは、パークンは売却しないがドラッグストアの屈巨氏(ワトソンズ)の上場は検討中であると明かした。ハチソンによれば、財務顧問を務めるゴールドマン・サックス、メリルリンチと協議した結果、パークンの売却は株主に最大の利益をもたらさないとの結論に達した。今後、ハチソンはパークンの成長を加速させる戦略を打ち出し、特に中国本土市場での発展に力を注ぐという。
リテール業務に意欲
パークンの買収額に関してはオーストラリアの新聞が、ウールワースが28億米ドル(217億~233億香港ドル)の最終買収額を提示したと報じた。だが、ハチソン側は30億~40億米ドル(233億~310億香港ドル)を希望していたとみられている。また、ワトソンズに関しては全部もしくは分離での上場を計画しているが、ハチソンはいずれにせよリテール(小売り)業務のコントロール権を手放すつもりはないと強調している。
意外な展開となったパークン売却計画だったたが、ワトソンズの分離上場のうわさが市場に流れたのは10月初め。そのころ、パークンの売却交渉が進行中だったにもかかわらず投資家の反応が良かったことや、応札側の提示額がハチソンにとって理想的でなかったことから、ハチソン上層部で新たな提案が出され、今回の結論に達したとみられている。市場ではすでに、李氏が今後どのようにリテール業務を展開させていくのかに注目が移っている。10月19日付け『星島日報』が伝えた。