香港各紙は先きごろ、不動産開発最大手「長江実業」の李嘉誠・会長率いるコングロマリット「和記黄埔(ハチソン・ワンポア)」が、傘下の屈巨氏集団(ワトソンズ・グループ)を2014年上半期に香港と英国・ロンドンの2カ所でスピンオフ(分離・独立)上場させるもようだと報じた。ハチソンは上場場所についての発表はしていない。
ワトソンズ・グループはドラッグストアチェーン「屈巨氏(ワトソンズ)」とスーパーマーケットチェーン「百佳超級市場(パークン・ショップ)」を運営するリテール(小売り)大手。上場による資金調達額は最高100億米ドル(約780億香港ドル)が予想されている。
また、JPモルガン·チェースが先きごろ発表したリポートによると、ワトソンズ・グループの評価額は1710億香港ドルと予想され、ハチソンの1株40香港ドルと同額程度になるとみられる。あるアナリストもワトソンズ・グループの評価額を200〜250億米ドル(1550〜1938億香港ドル)の間と見積もっている。
ワトソンズ・グループの今年上半期の売り上げは578億香港ドル。店舗はワトソンズとパークンをはじめ英国のヘルス&ビューティー関連の小売店「Superdrug」、オランダとベルギーに展開するドラッグストア「Kruidvat」など世界33カ国・地域に1万1000店舗余りを有する。
ハチソンはこれらリテール業務のいかなる運営権も手放すつもりはないと明言しており、上場で調達した資金は今後のリテール業務の開拓に向けられるほか、パークンショップにも十分な運営資金が回されるとみられている。12月3日付け『羊城晩報』が伝えた。