米・OSIグループ傘下の食肉加工会社「上海福喜食品公司」が消費期限切れの腐敗肉を再加工して大手外食チェーンなどに流通させていた問題で、7月26日『太陽報』は、香港マクドナルドの冷凍庫には依然として福喜製品59トンが貯蔵されていると報じた。
問題発覚後、香港マックは上海福喜から商品を仕入れたことはないとしていたが、香港食物環境衛生署の聞き取り調査を受け、昨年7月から今年2月にかけて冷凍カツレツを、今年5月中旬から6月中旬に調理済みのスパイシーチキンクリスプをともに上海福喜から仕入れ、すべて販売したことを認めた。
香港マックは7月24日夜から、福喜から仕入れた食材や商品を使ったすべてのメニューの販売停止に踏み切っており、リストにはアイスレモンティーやサラダ2種類も含まれている。
香港マックは上海福喜以外にも系列会社の河北福喜食品と広州福喜食品から商品を仕入れており、問題発覚直後からネット上で指摘されていた。
香港マックの冷凍庫には現在も上海福喜が加工した鶏肉26トン、牛肉12トンと河北福喜と広州福喜が加工した冷凍野菜など計59トンが貯蔵されており、ネット上には冷凍庫の写真が多数流出している。写真は広州福喜製造の冷凍トモロコシ、野菜スティック、スライスしたキュウリとタマネギのほか、河北福喜製造のチキンマックナゲット、スパイシーチキンクリスプ、スライス牛肉など。
日ごろから中国本土産食品に不安を感じている香港市民は、今回の香港マックの対応に激しい拒否反応を示しており、普段はにぎわうマックの各店舗は閑散としている。
ネット上には「国際的に知名度の高いファストフード店が客をだますなんて、失望した」「良心があるなら休業してください」といった批難の書き込みが目立つ。さらに、民主党議員は香港マックの対応は『商品説明条例』に違反する可能性があるとして、税関当局に積極的な調査を要求している。
上海福喜の消費期限切れ食肉の使用問題は組織ぐるみの犯行だったことから、中国当局は上海福喜の系列会社の調査を全国的に行う意向で、今後は他の工場や肉類以外の製造・加工品からも問題が発覚する可能性は否定できない。7月25、26日付け『太陽報』『星島日報』などが伝えた。