中国本土のeコマース(電子商取引)最大手アリババ・グループ(阿里巴巴集団)傘下アリババ(阿里巴巴)の蔡崇信・董事局執行副主席は10月13日、米国で行われたプロモーション活動に出席した際、「香港証券取引所(HKEx)が考えを変えるのであれば、我々も考慮する」と語った。アリババ・グループは10月10日に陸兆禧(ジョナサン・ルー)CEOが香港を上場の候補地に選ぶことはないと表明したばかりだが、アリババが香港上場に未練を残していることがうかがえる発言だけに、今後の動向が注目される。
この発言は蔡副主席がメディアの取材に答えたもので、米国が唯一の上場候補地かという質問に対して「香港側が後悔して、アリババ・グループを上場させるべきだと考えを変えるのであれば、これは経済全体や社会全体にとって良いことであり、我々も必ず考慮する」と語った。蔡副主席はまた、「アリババ・グループ独自の『パートナー制度』と香港が掲げる『同株同権(同じ株に同じ権利)』というポリシーが理念上異なっていたということであり、どちらが正しいとか正しくないということではない」と述べつつも、「『同株同権』は昔ながらの考え方。アリババ・グループの『パートナー制度』は先進的なやり方」との見解を示した。
アリババ・グループの上場に関しては香港証券取引所との交渉が暗礁に乗り上げた後、海外メディアが米国以外に上海のA株市場の可能性を挙げ、中国本土でも上海自由貿易区での上場がふさわしいといった声が挙っていた。だが、外界からはアリババがA株市場に戻ることに懐疑的な見方がある。これについて蔡副主席も、グローバルカンパニーになるためには国際資本が必要だが、本土は資本勘定が未だ開放されておらず難しいと明かした。10月15日付け『星島日報』が伝えた。