香港のスーパーマーケット大手、百佳超級市場(パークン・ショップ)売却のうわさが流れる中、親会社の和記黄埔(ハチソン・ワンポア)はここ2日にわたって外部団体が根拠のないうわさを流し、一部店舗でビラを撒くなどの行為を行ったことでスタッフに動揺が広がっている。「(うわさ)は遺憾」との声明を発表した。
スタッフらは仮に売却された場合、今よりも悪い条件で雇用契約が結ばれることを懸念しているが、ハチソンのスポークスマンは、新たな雇用契約書にサインさせることはない。雇用条件も年収も強制積立金(MPF※年金に相当)もこれまでと変わらないとしている。また、運営、管理、発展計画に変更はなく、今年はすでに16店舗をオープンさせ、年末までに新たに20店舗増やす計画。現在150人余りの求人を行っており、さらに200人の雇用が計画されていると語った。
売却については21日の声明でパークンの運営元でハチソン傘下の屈巨氏集団(ワトソンズ・グループ)が、株主に最大の利益をもたらすために戦略的評価を行っている最中であり、ハチソンは香港から資金を引き上げるつもりはないと公表。ワンポア最大の株主である長江実業の李嘉誠・会長も「これは正常な商業活動。勝手な憶測はやめてほしい」とコメントした。ただ、売却の意志を明確には否定していない。
『ウォールストリート・ジャーナル』は、パークンの売却価格は推定30〜40億米ドル(234億〜312億香港ドル)、売却先は中国系企業の可能性が高く、香港でデパートやスーパー・マーケットを運営する華潤創業などが有力と報じたが、現段階では推測の域を出ていない。パークンはウェルカム・ストアと並ぶ香港の二大スーパーマーケットだけに、市民からも中国系スーパーになった場合、商品の安全性が確保できるのかといった不安の声が上がっている。7月21〜24日付け『星島日報』、香港電台(RTHK)、『太陽報』』などが伝えた。