1人1日2万人民元までと定められている人民元の換金制限が年内に緩和される可能性が高まっている。消息筋によると、上海と香港の個人投資家に双方の証券市場を開放する「滬港通(上海香港直通車)」の10月施行に合わせ、現在中央政府のゴーサイン待ちだという。
2月22日付け『星島日報』によれば、上海香港直通車の取り引きや利益配分はすべて人民元で行われるが、現行の1人1日2万元までという換金制限がネックになるとして、緩和を望む声が高まっている。中央政府は直通車の下、条件付きで緩和する意向のようだが、そのタイムスケジュールや条件を完全に撤廃するのか、もしくは直通車の取り引きだけ緩和するのかなどの細則については不透明だ。
換金制限の緩和は、低迷を続ける中国本土のA株市場を救済する上で必要だといわれる。現在、本土投資家はA株よりも銀行が販売するハイリスクの金融商品に投資する傾向がある。
上海香港直通車はA株市場の資金不足を解消すると期待されているが、投資業界関係者は、仮に人民元の換金額の障壁がなくなっても、香港ではA株よりも上海と香港に同時上場するA+H株の価格差に魅力を感じる人が多く、純粋なA株はあまり人気がないとみている。