マカオで中国本土観光客のビザ期限を短縮する動きがある中、5月8日付け香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は今後、カジノでの「銀聯カード(中国のデヴィットカード)」の使用が禁じられるもようだと報じた。中国人観光客へのさらなる引き締め策に、同日朝の香港市場ではカジノ関連の株が大きく売られた。
5月7日夜、中国銀聯カードは、マカオでのマネーロンダリングや資金の流出、その他カジノでの非合法なカード使用の撲滅に力を尽くすと公布した。
業界関係者によれば、マカオでの銀聯カードの年間総取り引き額は2000億人民元に上るといわれ、うち20%は銀聯カードの移動支払い設備を通して行われている。オフィシャルな資料では、昨年のマカオのカジノ収入は450億米ドルとなっているが、アナリストは少なくとも900億米ドル低く申告されているとみており、銀聯カードの使用禁止は外貨管理と高官の汚職撲滅を推し進めたい中国政府の強い態度の表れととらえられている。
7月からは本土観光客のマカオ滞在のビザ期限が現行の7日間から3〜5日に短縮される見通しで、「上海香港直通車」の発表後、値上がりが期待されていたカジノ株は5月8日朝の香港市場で大きく値を下げた。
「ギャラクシー・エンターティンメント(銀河娯楽)」は前日比6.422%下落(56.1香港ドル)、「ウィン・マカオ(永利澳門)」は同7.223%下落(29.9香港ドル)、「SJMホールディングス(澳博)」は同6.364%下落(20.6香港ドル)、「MGMチャイナ(美高梅中国)」は同5.431%下落(25.25香港ドル)、「サンズ・チャイナ(金沙中国)」は同5.354下落(52.15香港ドル)、「メルコ・インターナショナル(新濠国際)」は同6.9%下落(22.4香港ドル)。5月8日付け『財華網』などが伝えた。