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2013.06.10

アモイのバス火災、貧困解消されず放火か

 6月7日に福建省厦門(アモイ)市で起きたバス火災で市政府は8日、DNA鑑定などから放火の容疑者を同市出身の男性、陳水総(59歳)と特定した。陳容疑者は事件で焼死しており、自宅を捜索したところ遺書が発見された。貧しさから世の中を悲観し、憤りを晴らすため犯行におよんだとみられている。
 事件は走行中の快速バス(BRT)の中で起きた。この日、陳容疑者は自宅がある思明区と集美大橋の間を快速バスで何度も往復し、一番乗客の多いバスを選んで車内にガソリンをまいて火を着けたもよう。この事件で陳容疑者を含む47人が死亡、34人が負傷、うち15人が重症を負った。同日は高校入試が行われており、被害者のうち15人は受験生だった。
 陳容疑者は妻と娘の3人家族。夫婦ともに定職には就いておらず、容疑者の兄の話では、以前は生活保護を受給していたが出稼ぎに出たことで支給が打ち切られた。このため政府に幾度となく陳情したが聞き入れられなかったという。陳容疑者はかつて中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」にも「十数年間貧しさの中でもがいている」と記していた。6月9日付け『星島日報』『香港電台(RTHK)』などが伝えた。

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