広東省公安局は新興宗教組織「華蔵宋門」の捜査を行い、教祖と名乗る男を逮捕した。男は「秦の始皇帝の生まれ変わりだ」と説き、長期にわたって女性信者十数人にわいせつ行為を行っていた疑いがあり、計十数人の子供を生ませていた。
わいせつおよび詐欺容疑で逮捕されたのは47歳の呉沢衡。教団内では「覚皇」と名乗り、布教活動を行い、怪しげな機器を売っていた。信者は4万人に達し、中には英国人や米国人もいたという。
広州紙『羊城晩報』によれば、広東省公安局は多数の市民から呉と華蔵宋門に関する通報を受け、内容も家庭崩壊や巨額の財産を失くしたという深刻なものだった。このため、7月30日に教団の一斉捜査を行い、信者80人余りを連行、うち21人を拘束した。公安当局は、呉が宗教を利用して詐欺や強姦を行っていた疑いがあるとコメントしている。
華蔵宋門は1990年に呉が創立した新興宗教組織。当初は教団名を「華蔵法門」としていたが、のちに現在の名前に変えている。呉は信者に、自身は秦の始皇帝の生まれ変わり、仏教88世、少林寺第32代の継承者、「大日如来仏」の化身であり、その法力は無限などと語っていた。
だが、呉は農家出身で学歴は小学校卒業。これまでにも詐欺行為を繰り返し、2000年には非合法経営などの罪状で11年の実刑判決を受けていた。
2010年に出所した呉は宗教組織を拡大させるため、自身は神の化身であるほかに神通力があり、分身の術を身に付けているなどとうそぶき、訓練所を設立して信者を集めた。呉は「長年の布教活動で信者は3万から4万人」と語り、広州、上海、北京など中国十数都市のほか、英国、米国、ノルウェーにも信者がいると明かした。
呉は「法力が格段に上がる」などと言って複数の女性信者にわいせつな行為を行っており、計十数人の子供をもうけていた。被害に遭ったある女性信者は、「女性の弟子のほとんどは呉の手にかかっている」と供述している。また、2012年8月4日に地球を大規模な災害が襲う、大地震が来る、などのデマを幾度も流し、恐怖心を煽った上で、災害から逃れられるとする「開光法器」なる怪しげな機器を信者に販売させていた。8月16日付け『星島日報』が伝えた。