広州市の南沙新区に800平方キロメートルを超える南沙新発展区が建設される見通しとなり、同時に香港とマカオの管理規制を導入し、広州・香港・マカオの互恵協力モデル地区を造る「広州南沙新区発展規画」が浮上している。
朱小丹・広東省省長は、南沙地区は香港・マカオと隣接する珠江デルタの心臓部であり、国の「一二五」計画でも同地区の開発は広州・香港・マカオの共同プロジェクトの重要な位置づけにあるとし、9月に同計画を中国国務院が批准したことを明らかにした。このことは南沙地区が国家の戦略的発展計画に位置づけられたことを示している。同新区は中国で6番目に批准された国家級の新区であり、昨年の中国社会科学院のリポートで、40年掛けて「小香港(リトル・ホンコン)」を建設する計画が打ち出されていた。
計画では、まず金融面での香港・マカオの往来の利便性を図り、財務、土地管理、海洋管理、社会事業とマネジメントサービスなどの方面で広く対外開放する。規模は上海市の浦東新区や天津市の浜海新区に匹敵。2025年までに段階的にハイテク産業とハイレベルなサービス業を集約させ、200万人の人口を収容させるという。
広東省には同新区のほか、深セン市の前海新区と珠海市の横琴島新区の計3つの新区がある。うち、前海新区は面積が小さいため金融を主体とした開発が、横琴島はマカオに近いことからビジネスとコンベンション業務を中心とした開発がそれぞれ進行中だ。
一方、南沙は香港の面積の80%に相当する土地を擁することから、香港の富豪で故・霍英東氏が生前開発のために力を注いだといわれ、今後、香港にさまざまなビジネスチャンスがもたらすことが期待されている。2012年10月11日付け『明報』が報じた。