中国石油雲南石化の石油精製工場建設の反対運動が激化する昆明市で16日、1000人近い市民が雲南省政府庁舎前で同月2度目の抗議デモを行った。その翌日、李文栄・市長は中国版ツイッターの微博(ウェイボー)を開始。工場建設について市民の理解を求めた。このウェイボーは3時間で1万件転送され、5時間で9000件余りの書き込みを集めた。
李市長はウェイボーに、昆明市の発展について市民の意見を募り同僚とともに真剣に検討したいと記し、10日付けの石油精製プロジェクトのプレスリリースを公表した。リリースの内容は、工場建設は国家のエネルギー資源確保のための重要課題であり、雲南省の発展と国民生活を変えるためになくてはならないプロジェクトとし、市民の多くが環境汚染を懸念するPX(バラキシレン)については、中国石油側が「PX製品は生産しない」と表明したと記している。
昆明市民が石油精製工場の建設計画を知らされたのは1〜2カ月前のこと。すぐに反発が巻き起こり、市政府側は懇談会を開き住民の意見を聞く姿勢を見せたが、反対派の中には政府の態度に懐疑的な見方をする人もいる。
一方、上海市松江区では電池工場の建設に反対する住民が抗議行動を起こしていたが、工場側は5月14日に松江区で計画していたすべてのプロジェクトを撤回し、工場用地として確保していた土地を地元政府に返還した。5月15日付け『明報』、5月17日付け雲南網(yunnan.net)、『星島日報』が伝えた。