雲南省のエイズ予防と治療を管理する「防治艾滋病局」によれば、同省のHIV感染の状況は全体的に落ち着いてきており、今年10カ月間のエイズによる死者は同省でエイズ患者が確認されて以来、初めて減少に転じた。だが、性交渉によるHIVの感染や高齢者の感染は引き続き増加しており、局地的もしくは特定の年齢層のエイズの状況は深刻なままとなっている。
高齢者の感染ルート9割が買春
12月10日付け『中国青年報』によれば、今年1~10月までの雲南省のHIV感染者数は9091人で、前年同期比585人減少、報告された死者数は同201人減少の2194人だった。
今年のHIV感染者とエイズ発症者のうち感染ルートが性交渉だったケースは86.1%、ドラッグの注射針は12.5%で、ともに前年同期比4ポイント下落。母子感染は1.1%、感染ルートが不明なケースは0.3%だった。主な感染者は20〜39歳の若年層で全体の52.8%を占めたが、60歳以上の感染者数も全体の10.6%で同0.6ポイント増加した。これら高齢者の感染ルートの90%以上は男性の買春によるものだった。
雲南省は中国本土で最初にHIV感染が確認された地域であり、現在でも最も感染者が多い地域とされている。1989年に同省の東南アジア国境に近い地域で確認された146人のエイズ患者は全員麻薬による注射針の使い回しが感染ルートだった。同省では貧困家庭のHIV感染者に対する最低生活給付金の支払いを行っており、今年第1から第3四半期の対象者は1万9538人。支払額は計3405万7200人民元だった。