世界最大の電子機器受託生産(EMS)企業、台湾の「富士康科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)」が広西チワン族自治区の南寧市に50億元を投じ大規模サテライト工場を建設中だ。
12月28日付『鳳凰網(ifeng.com)』が『第一経済日報』の報道として伝えたところによると、同工場は完成後、タブレット端末とスマートフォンの製造を行う第二のサテライト工場に位置づけられる。広西チワン族自治区の新工場建設は2011年6月から始まり、すでに第一期の工事が完了。ワーカーの募集も始まっているという。
近年、富士康は内陸部への進出を強化しており、2009年に四川省成都市、2010年に河南省鄭州市と湖南省衡陽市にそれぞれ新工場を建設。南寧市は中国ASEAN博覧会の永久開催地であり、ASEANへの地理的優位性があるとして、数年前から多額の投資を行っている。
富士康の新工場が稼働した地域では電子製品の輸出量が軒並み押し上げられており、成都市税関の数字では今年1〜11月のノートブックやタブレット端末などの携帯式コンピューターは昨年同月比85%増。中でも11月の輸出量は同75%増の533万台と単月としては過去最高となったが、その大部分は富士康が受託生産したiPadの輸出量488万台だった。また、iPhone5の生産を行う河南省では、同社の管轄企業の上半期の輸出入額は104億3000万人民元で河南省の総輸出入額の48%を占めた。ただ、広東省深圳市は以前として同社の重要な中国総本部としている。